ホームスクーリング

【書評】『アウトプット大全』から科学に基づく効果的な学習方法を学ぶ

りょう
りょう

こんな疑問をお持ちの方におすすめの記事!

  • アウトプットしたくても具体的にどうしたらいいか思いつかない人
  • 科学的な研究結果に基づいたアウトプットの原則を学びたい人
  • 子どもにアウトプット中心の効果的な学習を身につけさせたい人

私たち夫婦は将来子どもをホームスクールで育てたいと考えています。

学校に通う場合は親ではなく先生が教科書を選び、先生が30,40名の生徒に対して講義形式で授業を行いますが、ホームスクールでは教科書選びから学習方法まですべて親が考えて決めることができます。

そのため私たち親が適切な学習方法を知っておくことはホームスクールを行う上で非常に重要になります。

もし親が効果的な学習方法を学ばずに自分が教わってきたように我流で教えると、学習効率が悪くなったり子どもたち1人1人に適した教え方ができなかったりし、勉強がつまらないと感じ子どもに育ってしまいます

何かを学ぶことは本来楽しいことですが、教える人の勉強不足や学習方法に工夫がないことによって、子どもは勉強がつまらないと感じてしまうのです。

りょう
りょう

私は高校1年生で世界史の先生に恵まれ、人生ではじめて世界史を学ぶって楽しいと感じた事がありました。

学問がつまらないのではなく、工夫のない学習方法が学問をつまらなくしているのです。

そのため私たち夫婦はホームスクールを行う親として、子どもたちにしっかりと身につく学習方法やモチベーションを高く保つ学習方法について学ぶ責任があります。

そこで今回は書籍「アウトプット大全」からアウトプット中心の学習方法を学び、子育てやホームスクールに活かせる学習方法について考えまとめています。

この記事を読むことで、学習においてアウトプットがどれだけ重要な要素なのかがわかり、具体的にどのような学習方法を取り入れればよいのかがわかります。

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科学的な根拠を持って子育てに活かせるアウトプットを学ぶ

私がアウトプット大全を手にとったのは、子育てやホームスクールに活用できるアウトプット中心の学習方法を学べると考えたからです。

なぜなら本書は科学的な研究結果を土台としたアウトプットの原則や、すぐに実践できるアウトプットの具体的なやり方が詰め込まれているからです。

アウトプット方法についてはすでに様々な手法を見かけますが、本書を読むことで体系立ててアウトプットについて学ぶ事ができました。

通常私たちがイメージする学習方法は、やはり私たちが学校で受けてきた講義形式のインプットが中心です。日本の学校教育ではアウトプットによる学習はほとんど行われていません。

しかしホームスクールでは自由に学習方法を選べます。そのため子どもたちは講義形式にこだわることなく、本書にかかれているようなアウトプット中心の学習方法で学ぶことができます。

では本当にアウトプット中心の学習は効果的なのでしょうか。

本書によると、インプット形式だけではなくアウトプット形式の学習方法を取り入れることで、記憶への定着率が飛躍的に高まることが明らかになっています。

つまりアウトプット型学習はさまざまな研究結果によって裏付けられた大人子ども問わず優れた学習方法なのです。

これを子どもの学習に取り入れない手はありません。

以上のように私がアウトプット大全は、講義形式にこだわらないアウトプット中心の学習スタイルを学ぶために読んでみました。

アウトプット大全を実際に読んでみた感想

アウトプット大全を読んでみて、本書の特徴についてまとめました。

一問一答形式で読みやすくわかりやすい内容

大全という名前から、体系立てられた難しい知識が書かれていると思いきや、一問一答形式で読みやすくわかりやすい構造でまとめられています。

例えばChapter3「能力を最大限に引き出す書き方」では「30秒以内に気づきをメモする」「ぼーっとリラックスする時間がアウトプットに大切」など、見開き2ページで1つの内容がまとめられています。

最初から最後まで一問一答形式で読みやすくわかりやすい内容でした。

1つ1つ具体的なアウトプットの方法が書かれている

アウトプット大全は今日からすぐに取り組めるアウトプットの具体的な方法が書かれています。

たとえば「インプットした事をA4用紙1枚に手書きでまとめる」という方法。

これは「インプット直後が最も記憶した情報量が多い」のでアウトプットに最も適したタイミングであること、また「手書きはタイピングよりも記憶の定着率がいい」ことを根拠に基づいています。

他にも「アイデアは思いついても1分程度でもとに忘れてしまうので、1分以内にアイデアをメモする」「メモは文字だけではなく図を書いてビジュアルでアウトプットする」など、特別な道具やお金をかけなくても、やろうと思えば誰でも今すぐに実践できる具体的な方法を提案しています。

精神科医が科学的な研究結果を根拠にしている

筆者の樺沢紫苑さんは本業が精神科医であるため、明確な実験結果を根拠とした効果的なアウトプットの方法が書かれています。

例えば「短い期間に複数回アウトプットされた情報は、記憶が一時保管する海馬から長期保管する側頭葉に移される。」という実験結果を根拠にして、「インプットしたら2週間に3回以上アウトプットしよう。具体的にはブログに書く、人に話す、Twitterに要約する…」という具体的なアウトプットを提案しています。

私は疑り深いので根性論や経験論では特定の個人にしか当てはまらないのでは?と疑念を抱いてしまいがちですが、本書は様々な研究結果から人間に共通する原則を根拠にしています。

アウトプットの原則だけではなく社会人向けHow toも含まれる

本書はアウトプットの原則だけではなく、社会人を想定したビジネスノウハウが書かれているページもあります。

例えば「メールを返信するのは仕事が始まって5分だけにしよう」などは、アウトプットの原則ではなくただのビジネスノウハウになります。

社会人にはありがたいかもしれません、学習効果を高めるアウトプットの方法とは関係ないページも一定数含まれていました

とはいえ全体からみればほんの数ページだけなのでさっと読み流すなどすればそれほど気にはなりませんでした。

ほとんどは先に述べたような研究結果に裏付けされたアウトプットの原則が書かれていますので、子育てやホームスクールに取り組む上で良書であると考えています。

アウトプット大全を子育てへ活用する

アウトプット大全を読んだうえで、子育てやホームスクールの学習方法への活用を考えてみました。

頭の中の情報を文字だけでなく図でアウトプットする

子どもが取り組むアウトプットはシンプルな方がいいので、紙と鉛筆があればできるものを考えた結果、体験や学びを終えた直後にA4用紙1枚に図や文字でまとめる時間を持ちたいと思いました。

これは以下3点のアウトプットの原則を参考にしました。

1)手書きは運動記憶として定着しやすい
⇨アウトプットは手書きで行う

2)インプットは時間の経過とともに失われて劣化して曖昧になっていくので
⇨アウトプットはインプット直後に行う

3)図は文字よりも記憶に残りやすい
⇨アウトプットは図も書くようにする

具体的には印象的なセリフ、自分の感情、アイデア、映像などを書き出して、それを共有する時間を持ちます。

これにより自分の考えを整理して棚卸しでき、1枚の写真として記憶する訓練になります。

また誰かに共有することで自分の伝えたいことを伝える訓練にもなります。

アメリカの学校では小学生の時期からクラスの前でプレゼンする機会が頻繁に与えられます。

パワーポイントなど道具は使えなくても「3分で自分の考えを述べる」など言葉だけでプレゼンするのです。

情報をまとめるだけでなく共有まですることで話す訓練にもなりますし、話すことがアウトプットの機会を増やすことにもつながりさらに記憶の定着を促せると考えました。

以上から学びや体験の直後に1枚の紙に感じたことをまとめ、共有する時間を持つことでアウトプット中心の学習スタイルを築いていきます。

アウトプットの比率を高めた学習を行う

学習刷る際にアウトプットとインプットの比率を7:3にします。

なぜならコロンビア大学心理学者アーサー・ゲイツ博士による小学3年生〜中学2年生100人以上を対象にした研究では、記憶力テストに対してインプット30%、アウトプット70%の割合で学習した生徒たちが最も高い得点を出したという研究結果があるからです。

このことから科学的な研究結果をもとに、アウトプット:インプットの比率は7:3がよいということが明らかにされました。

例えば教科書を読む、動画の閲覧などによるインプットを1時間行ったら、その後インプットした情報を図や絵でまとめる・発表するなどのアウトプットを2時間20分行うようにするのです。

インプットの時間が減ってしまうためインプット量は減ってしまいますが、インプットしただけでは定着率が低くなります。

学習の目的は学習内容がしっかりと定着することなので、たとえインプットの量が減ったとしても定着率をあげるためにアウトプットの時間を確保することは意味があることです。

アウトプット中心の子育ては科学に裏打ちされた学習スタイル

  • さまざまな学術研究の結果からアウトプットは学習効果を向上させる
  • アウトプット大全は効果的なアウトプットの方法を一問一答形式で具体的に提案してくれる
  • アウトプットは手書き、A4用紙1枚にまとめるなど、工夫すればお金はかからず子どもでもすぐに取り組める

私が本書で最も印象的だったのはインプットとアウトプットの最大の違いは、アウトプットは現実世界を変える力があるという言葉でした。

本書を読むなかで「アウトプットを行うと学習効果が高くなる、自己成長に役立つ」など学習の効率化にばかり目が止まっていました。

しかし最も重要な点はアウトプットだけが現実世界に影響を及ぼすことができるということです。

いくら本を読んだり動画を閲覧したりして知識をインプットしようとも、その知識を実際にアウトプットして実践しなければ現実は何も変えられません。

この事実を、そして現実を変えていけるという喜びを子どもに伝えられるように、アウトプット中心の学習をさせてあげたいと心から思いました。

アウトプット大全がアイデア出しから実践まで助けになると思いますのでぜひ手にとってみてください。

忙しくて読む暇がないという方はAudibleを利用することをおすすめします。

家事をしながら、子どもをあやしながら、毎日の通勤やランニングをしながらでも、アウトプット大全を耳で読むことができます。

1ヶ月間の無料体験キャンペーン中ですので今なら無料でアウトプット大全を聞けますよ。

子どもは学校でもホームスクールでも多くのことを学びます。
しかしその学習が定着するかどうかは学習方法に大きく影響を受けます。

私たちが受けてきたようなインプット中心のつめこみ教育ではなく、科学的な研究結果に基づいたアウトプット型学習を取り入れてみてはいかがでしょうか。

God bless you!

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この記事を書いた人
りょう

某都立大学院で化学専攻。大手企業で5年間最先端研究開発に携わった後、日立系IT企業で営業として活動中。

愛妻と娘の3人暮らしでホームスクール中。
将来は子ども食堂の運営、クリスチャンスクール、異世代間シェアハウスの設立を目指しています。

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