
こんな疑問をお持ちの方におすすめの記事!
里親になろうと思ったとき、特別な資格は必要なのか、実子はいても平気なのか、など里親になるための条件を調べます。
しかし厚生労働省や自治体のホームページを調べてみても「里親が行う養育に関する最低基準(平成 14 年厚生労働省令第 116 号)を遵守するとともに〜」など、読んでいてイマイチよくわかりません。
さらに条件が何条もあるためたくさんのハードルがあるように見えます。
加えてブログや体験談を調べても、情報が古かったり地域が違ったりして条件がバラバラ。
これでは里親になるためにはどうしたらいいのかわからず困りますよね…。
私たち夫婦も里親に興味があり調べてみましたが、かなり混乱しました…。
そこでこの記事では、里親になるための条件をわかりやすい表現でまとめてご紹介します。
里親を志すやら誰もがはじめは「私たち家族は条件が満たせてるかなぁ…?」と不安になります。
でも安心してください。
この記事を読もうと思ったあなたなら、最も大切な条件である子どもへの愛情を持っているはず。
最後までお読みいただければ、私も里親になることができるんだ!と確信を持てると思います。
すでに里親になろうと決断したあなたへ

この記事を読む方の中には、すでに里親になろうと決断された方もいるでしょう。
そんなあなたには、厚生労働省がまとめた国児童相談所一覧からお住まいの児童相談所へ直接問い合わせることをおすすめします。
後述しますが、実は里親になるための条件は各地方自治体によって異なります。
そのため「もうなにがなんでも今すぐ里親になる!」と決めている方にとっては、直接問い合わせるが最短ルート。
これ以降は「里親になろうと考えているけど、まずはどんな条件があるか知りたい」方向けの解説記事になります!

細かいことはよくわからなくても里親になろうという勢いがステキ!(笑)
里親になるための条件

厚生労働省が里親になるための条件をまとめています。
私なりに要約すると条件はたったの3つ。
①要保護児童の養育についての理解及び熱意並びに児童に対する豊かな愛情を有していること。
②経済的に困窮していないこと(親族里親は除く。)。
③里親本人又はその同居人が次の欠格事由に該当していないこと。
ア 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者
イ 児童福祉法等、福祉関係法律の規定により罰金の刑に処され、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者
ウ 児童虐待又は被措置児童等虐待を行った者その他児童の福祉に関し著しく不適当な行為をした者
「えっ?たったこれだけ…?」とお思いでしょう。
私も調べて驚きました。
実際にはこれだけではありません。
実は厚生労働省は大枠のみを規定し、
より具体的な条件を各自治体が設定しているのです。
誰かのブログなどを調べても条件がバラバラなのはこれが理由。
つまり里親になるための条件は「全国一律でこれ!」と決まっておらず、そこは各人で調べなければなりません。
あなたの自治体の条件の調べ方は、厚生労働省がまとめた国児童相談所一覧から住まいの児童相談所を確認して、ホームページや電話で問い合わせすればすぐにわかるでしょう。
以上から、厚生労働省が定めた大枠の条件は上記の3つを満たすこと。
里親になろうと思った人ならまず満たしているでしょう。
里親になるために各自治体が定める条件
次に自治体がどのような条件を定めているか見てみましょう。
ここでは一例として、世田谷区が定める里親になるための条件を解説します。
親となる夫婦の条件
里親と認定される人の条件をまとめると以下の6つなります。
(1) 世田谷区内に居住していること。
(2) 心身ともに健全であること。
(3) 児童の養育についての理解及び熱意並びに児童に対する豊かな愛情を有していること。
(4) 里親制度が社会的養護であることを理解し、「里親が行う養育に関する最低基準」(平成 14 年厚生労働省令第 116 号)を遵守するとともに、児童相談所等関係機関と協働すること。
(5) 児童の養育に関し、虐待等の問題がないと認められること。
(6) 児童福祉法(昭和 22 年法律第 164 号)その他関係法令等が適用になること。
(7) 里親申込者及び里親申込者と起居を共にする者が、次の各号のいずれかに該当していないこと。
ア 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者
イ 児童福祉法及び児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成 11 年法律第 52号)その他国民の福祉に関する法律で政令で定めるものの規定により、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者
ウ 児童虐待の防止等に関する法律第 2 条に規定する児童虐待又は被措置児童等虐待を行った者その他児童の福祉に関し著しく不適当な行為をした者
(8) 経済的に困窮していないこと、かつ、原則として世帯の収入額が生活保護基準を上回っていること。(養育家庭(親族)は除く。)
(9) 世田谷区が実施する認定前研修の課程を修了していること
出典:世田谷区里親認定基準
いっけん多そうに思えますが、どなたでも満たせる条件です。
1)~3)は国が定めるガイドラインとほぼ同じ。
経済的な自立については、世田谷区では40~50代夫婦2人世帯の世帯年収が220万円以上が基準となっていました。
それほど高い基準ではありませんね。
また4)~6)も特別なことではありません。
「里親の研修を受けること」とありますが、むしろ研修があるので里親として準備ができて助かります。
つまり里親になろうと志しさえあれば、基本的には誰でも里親になれる条件と言えるでしょう。
家庭の条件
世田谷区の里親認定基準では、里親になる親だけではなく、その家庭状況や実子たちの理解も重要視します。
細かい部分を省いてざっくりまとめると以下の4つ。
(1) 家庭生活が円満に営まれていること。
(2) 里親申込者と起居を共にする者は、児童の受託について十分な理解を有するものであること。
(3) 里親申込者と起居を共にする者のうち、日常生活をする上で主たる養育者となる者が特別に対応しなければならない者がいないこと。
(4) 里親申込者は、配偶者がいない場合には、子供を適切に養育できると認められ、かつ、起居を共にし、主たる養育者の補助者として子供の養育に関わることができる、成人の親族等がいること。ただし、補助者がいない場合であっても、子供を適切に養育できると認められる特段の事情があるときはこの限りではない。(養育家庭(親族)は除く。)
(5) 里親申込者が要保護児童の親族である場合は、親族里親の(4)の要件を満たすこと。
(6)里親申込者の家庭及び住居の環境が、児童の保健、教育、その他の福祉上適当なものであり、住居の広さ、間取りについては、実子及び委託児童の年齢、性別、人数や家族の構成に応じた適切な環境が確保されることが見込まれること。
とくに8と9の条件は、場合によっては満たせないことがあるかもしれません。
たとえば介護が必要な家族につきっきりになる場合は、里子が里親との時間を過ごせないと考え、里親になることはできないようです。
以下に条件8と10について追加解説します。
子どもを含めた同居人の理解
いくら親が里親になりたいと考えても、同じ家に住む人の同意が必要になります。
たとえば実子がいるなら、実子が里子を受け入れられない場合はNGです。
たしかに子どもが不安になるのも無理ないでしょう。
幼児なら里子が来たら「自分は親からの愛を失うのではないか?」と考えてしまいます。
里親になった私の友人の子どもは「もし(里子と)ケンカしてひどいこと言っちゃったらどうしよう…。」と不安そうだったそう。
あくまで一例ですが、子どもはいろいろな不安を持ちます。
そのため実子がいる場合は時間をかけて子どもに説明し、不安や心配によく耳を傾け、家族全員の一致を目指す必要があります。

里子のためにも家族全員で受け入れる準備をしたいですね。
広い家に住む
里子として家族が1人増えるため、ある程度の広さを持った家に住む必要があります。
世田谷区では「夫婦2人世帯の場合/40㎡(24.2畳)以上、LDK除く2室以上が必要」という基準があるようです。
また広さだけではなく、部屋の間取りを考慮しなければなりません。
たとえば「男子小学生の実子がいるなら、女子小学生の里子と別の部屋を確保する。」などです。
逆に「中学生の実子がいて1歳の乳幼児を受け入れる」なら、同室でもよいかもしれません。
いずれにせよ実子や里子の状態によっても変わりますので、お住まいの児童相談所の職員とよく相談してみましょう。
場合によっては引越しも視野にいれる必要があるかもしれません。
目的・動機について
その他に条件は以下の通り。
子どもにとっての最善を考え、あくまで養子が目的ではないことを確認しています。
また妊娠中や実子が1歳未満もNGです。
たしかにつわりがひどかったり、頻回授乳で寝不足など余裕がなかったりすると、里子を受け入れたとしても、親として十分に関われません。
そういう意味では条件9の「親がつきっきりになる同居人がいないこと。」を満たしていませんし、何より実子や里子にとって最善な環境ではありません。
そういう意味でも、世田谷区はこの基準を設けていると思われます。

私たちも実子が1歳を超えるまでは、里親になる準備期間としてよいときを待っています。
世田谷区の里親認定基準まとめ
最後にここまで見てきた世田谷区の里親認定基準をまとめます。
里親になるための条件が多いので、里親になることがとても大変そうに見えます。
しかし特別なことは求められていません。
里子を愛せる、経済的に自立している、研修を受けて備える、夫婦生活が円満である、などなど。
時期やタイミングを選べばほとんどの方が条件を満たせるのでしょう。

一番重要なことは、その志です!
あなたも里親になって愛を届けられる

里親になるための条件を満たすことはそれほど大変ではありません。
しかし実際に里親になることは簡単なことではないでしょう。
1人の人の養育者となるわけですからね。
しかしいきなり最高の親になるのは誰もできません。
親なら誰しもが実感することだと思いますが、親は徐々に親として成長していくのです。
里親もそれと同じです。
日本では里親になった後も継続して様々な研修を受けることができます。
加えて里親同士が助け合えるコミュニティもあります。
里親になってからがスタートなのです。
ぜひまずは一歩踏み出してみてください。
少しでも前向きに考えてみたいと思えたなら、ぜひ国児童相談所一覧から住まいの児童相談所を確認して、ホームページや電話で問い合わせしませんか。
あなたのその一歩で、1人の人生を大きく変えることができます。
心からおすすめして!
God bless you!