ホームスクーリング

異世代間交流が盛んな高齢者×学生ホームシェアという住居共有の実現を考えてみた〜実例と課題〜

異世代間交流が盛んな高齢者×学生ホームシェアという住居共有の実現を考えてみた〜実例と課題〜
りょう
りょう

こんな方におすすめの記事!

  • 都内に進学するけど家賃が高くて金銭的な負担が大きい
  • 初めての一人暮らしで問題なく暮らしていけるか不安
  • 家族以外と暮らすルームシェアに興味がある

異世代間ホームシェアという面白い取り組みを見つけました。

異世代ホームシェアとは? | 異世代ホームシェアリング ISEDAI
 

実は私はホームシェアとは少なからず縁がある人生を送っています。

大学時代は学生同士の交流が盛んな学生寮に住んでいました。
また私の教会の友人たちが自分たちで1軒家を借りてホームシェアをしています。
私も結婚するまでは毎週末泊まらせていただき、いろいろなイベントや交流をさせて頂いてます。

りょう
りょう

おそらく18歳で実家を出るまで自分の部屋がなかったため、

プライベート空間の確保をあまり必要としていないのでしょう。

こんな背景もあって、私は誰かと一緒に住むホームシェアにとても興味があります。

今回は異世代間交流が盛んな高齢者×学生ホームシェアについて考える事で、
現代に必要なホームシェアの考え方やホームスクールへの適用について考察してみました!

※前回ホームシェアの目的やメリットについて考えたので合わせてお読みください!

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高齢者×学生異世代ホームシェアの実例

高齢者×学生異世代ホームシェアの実例

異世代ホームシェアはNPOなどが中心となって事業展開をしています。

利用する流れとしては、NPOが一人暮らしで空き部屋を貸してくれる高齢者と、安く家を探している学生を募集します。
募集があってもすぐに同居が始まるのではなく、両者のマッチングを行います。
NPOのコーディネーターが双方の希望を聞いた上で、同居に問題がないかどうかを判断してマッチングをしていきます。

一般的な賃貸物件とは違い、両者の相性を見極めることが重要です。

例えば2012年から東京で勢力的に異世代ホームシェアの普及活動を続けてきたNPO法人「リブ&リブ」(東京都練馬区)という団体があります。

この団体ではシニアや学生において条件を設ける工夫を行っています。

基本的に家賃は無料であり、学生がシニアに払うのは月2万円の光熱費や生活雑貨費のみだといいます。

りょう
りょう

家賃光熱費で2万円!

圧倒的にやすいですね!

仲介者がいるおかげか、リブ&リブでは設立以降都内を中心にこれまで13組の同居が成立したようです。

他にも京都府の取り組みでは、学生側が月に支払う住居費は2万5千~3万5千円程度で、これまで9組の学生とシニアの同居が成立をしています。

実際の生活においては学生が浴室の天井掃除などを進んで引き受けてシニアの生活を積極的に手助けしようとする姿がみられるようです。

りょう
りょう

ホームシェアリングというと大変さや難しさばかり気になってしまいますが、事前に条件について対話したり、マッチングすることで課題を解消することができるのですね。

この団体以外にも国内のNPO法人、海外ではマッチング業者などが多数存在します。

日本でも少しずつホームシェアリングの仲介団体が生まれてきていますが、現時点ではやはりNPO法人法人が多いようですね。

まだまだビジネスにできるほど一般に普及されていませんし、日本人の心理的なハードルも高いのかもしれません。

日本における高齢者×学生異世代ホームシェアリングの課題

日本における高齢者×学生異世代ホームシェアリングの課題

それではホームシェアリングを実現する事を阻んでいる課題はなんでしょうか。

海外のホームシェアリングを進める団体、ホームシェアインターナショナルは日本における課題を以下のように考えています。

日本におけるホームシェアリングには大きなバリアが─文化的にそして実際的──にある。

人々は家族に年配の親戚の面倒をみるように期待するのであり、

それは家族ではない人に家の中に滞在してもらう伝統がないのである。

またいずれにせよ日本の住居は小さい場合が多いのである。

このようなバリアにかかわらず、ホームシェアリングに対する関心は金銭的余裕のない学生のための施設の不足や年配者の社会的孤立に対する解決策として今日まで広がってきた。

https://homeshare.org/programmes-worldwide/japan/

日本におけるホームシェアリングの課題は

  • 年配の方をサポートするのは実際の家族の仕事であるという考え方
  • 家族ではない人に家の中に滞在してもらう伝統がない
  • 住居がそもそも狭く、ホームシェアできるほど大きくない

としています。

これらが課題である考えると、そもそも高齢者とか学生とか個別の属性によるものではなく、日本の文化や環境という大きなレベルで課題が発生していると考えられますね。

年配の方をサポートするのは実際の家族の仕事であるという考え方

自分の家族である両親をサポートしていくのは、もちろんその子どもに任された大きな使命です。

しかし社会で年配の方をサポートするという考え方は、徐々に薄れているように思います。
特に東京都市部ではいわゆる近所付き合いというモノがなくなっているからなおさらでしょう。

総務省が都市圏のコミュニティの現状と課題についてまとめています。

都市部のコミュニティの現状と課題

近所付き合いが重要である、という議論をするつもりはありません。
ただ自分の周囲にいる高齢者との関係性が希薄になるほど、その方々をサポートしようという思いが薄れていくと思います。

りょう
りょう

希薄な関係性を構築する価値観に慣れてしまうと、ますますホームシェアリングから離れた価値観になってしまうのですね。

自分の家族を将来に渡ってサポートすることはもちろん、
自分が住んでいる近所や関係しているコミュニティーの高齢な方をサポートする意識を養っていく必要があります。

家族ではない人に家の中に滞在してもらう伝統がない

日本にいると当たり前の価値観に思えます。
海外ではホームステイなどを受け入れており、家族以外が家の中に滞在するというのが不可思議なことではないのですね。

欧米のホストファミリーにとって、留学生を受け入れることは日常生活の一環です。

https://www.isa.co.jp/column/16133/

ホームシェアがNPO法人という非営利団体による運営ではなく、事業としてなりたっているのは社会的に認知されて一定量の利用者がいるからなのでしょう。

りょう
りょう

日本ではホームパーティーみたいなものもありません多くはありませんよね。

家に家族以外の誰かがいるというのは、一時的であっても当たり前ではないんですね。

家に家族以外が滞在することにてっとり早く慣れるにはホストファミリーになることでしょうか。

りょう
りょう

いきなりホストファミリーになるのはハードルが高すぎる!笑

そういう場合は、まずは家に人を招いて夕食だったりホームパーティーをすることから始めたいですね!

ホストファミリーになるにせよ、家庭を開放して人を招くにせよ、日本人にとってお客様が来るというのはおもてなし精神が働いて気が張ってしまうのかもしれません。

もっとハードルを低くても問題ないと考えればいいのかもしれませんね。

私の教会で、よく人を招いて家で食事会をしたり、友人を家に宿泊させていたりする先輩が言っていた言葉が印象的でした。

毎回毎回気を張ってやっていたら続かないよ。

日常の中に招待するんだ。

いつも通りの家庭に人を招いていくことが継続していくコツかな。

ホームステイ受け入れに過度なおもてなしは不要!という記事にも同じような事が書かれていました。

ホストファミリーは、留学生をお客様として扱う必要はありません。

留学生はあくまで“家族の一員”です。

私達が海外でホームステイする時の扱われ方と一緒です。

さらに前述の日本国際交流振興会(JFIE)のホームページには、「留学生は日本の生活を体験するために来日していますので、家族の一員としてなるべく日本語の普段通りの生活の中に受け入れていただけますようお願いしています。」とのこと!

家族の一員に対して、過度な“おもてなし”は不要です。

普通で良いのです。
 

https://www.isa.co.jp/column/15626/#section2

家に家族以外が滞在する伝統がないというのはもはや社会的な文化なので仕方がありませんね。

だからこそまずはランチから、ディナーから、お茶会から、小さなところから始めて慣れていきたいなと思いました。

日本はホームシェアできるほど住居が大きくない

そもそも家に誰かを滞在させることができるスペースが存在しないという、ホームシェアにおいて割と致命的な課題です。

実際他の国と比較するとどんなものなんでしょうか。

たしかにアメリカなどに比べると日本の住居は半分ほどの大きさなのですね。

都道府県別での住居の広さも調べてみました。

引用先:https://allabout.co.jp/gm/gc/394169/
都道府県別住宅の規模ランキング(出典:平成28年 住宅経済関連データ(国土交通省)

私たちが住む東京は日本最狭の住宅環境なのですね…

都内などの首都圏でホームシェアをするには、ある程度狭い居住空間になるということ覚悟していないといけませんね。

またはホームシェアリングをできる広さを持つ家を賃貸または購入して用意する必要がありますね。

りょう
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逆に都内である程度広い家をお持ちの方はホームシェアリングをするためのハード面での課題をクリアしていることになります。

あとは上述した心理面での課題だけなので大きなアドバンテージだと思います!

一人あたりの専有面積を増やすことはできませんが、ホームシェアリングによって住宅規模は大きく設定することができますね。

共用スペースにかかる費用を共同負担することで、自分だけのものではありませんが、より大きな住宅をシェアすることができます。

ホームシェアリングに対する課題ですが、費用負担できる人が集まることで解決することができる課題ですね。

その他の課題:ホームシェアする人とのトラブルが心配

りょう
りょう

大学寮やシェアハウスを経験した私が感じるホームシェアリング導入への課題は「どのような人とホームシェアを行うかどうか」だと思っています。

ホームシェア×トラブルで検索するとやはり人間関係や習慣の違いという住民間でのトラブルがよく挙げられます。

立地や間取り、値段や設備などがどれだけ良くても、人間関係がギクシャクするとそのホームシェアリングはだいなしになってしまうでしょう。

帰りたい場所でなくなりますし、リビングでの交流などもしたくありません。

入居前のハウスルールの確認や守れなかった時の対応、どのような価値観の人たちが住んでいるのかなどをよく確認し、合意しておくことが重要です。

また第三者が仲介に入れるような仕組みがあると、それぞれの意見が言いやすく穏便に物事を進められる傾向があるようです。

りょう
りょう

NPO法人などでも事前の面談によるマッチングや体験入居制度があります。

お互いが事前に人柄や家の様子を知ることができるのは安心しますね!

日本におけるホームシェアリングの課題
  • 年配の方をサポートするのは実際の家族の仕事であるという考え方を持つ
  • 家族ではない人に家の中に滞在してもらう伝統がない
  • 住居がそもそも狭く、ホームシェアできるほど大きくない
  • ホームシェアする人とのトラブルが心配
u003cstrongu003e日本におけるホームシェアリングu003c/strongu003eの課題解決
  • 自分が住んでいる近所や関係しているコミュニティの高齢な方をサポートする意識を養っていく
  • 家族以外の人を招くホストファミリー、ホームパーティーを日常的に開く
  • 共同スペースの費用を共に負担することでより大きな住宅を保有する
  • 事前のマッチングや体験入居によってリスクを軽減する

まとめ

  • NPO法人などがホームシェアの仲介業者として活動しており、仲介者のマッチングにより異世代間ホームシェアが可能になっている
  • 海外で取り組みや理解が広まっており、マッチングが事業となっている
  • 日本でホームシェアが進まない理由は、文化背景からくる心理的課題と住居が小さいというハード面での課題がある
  • ただし乗り越えられないような課題ではなく、工夫と訓練で十分解決が可能

いかがだったでしょうか。

もともとホームシェアリングをやりたいと願っていた事もあって、今回ホームシェアリングの実現について真剣に考えてみました。

今回は異世代間ホームシェアリングの実例と課題についてでした。

これらの課題を踏まえて具体的にどのように実現したらよいのでしょうか。

よければ続きを合わせてお読みください!

God bless you!

この記事を書いた人
りょう

某都立大学院で化学専攻。大手企業で5年間最先端研究開発に携わった後、日立系IT企業で営業として活動中。

愛妻と娘の3人暮らしでホームスクール中。
将来は子ども食堂の運営、クリスチャンスクール、異世代間シェアハウスの設立を目指しています。

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