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生活における3大支出の1つが住居費です。
都内に住むと狭い部屋を高い家賃で借りる必要が出てきます。
また都内では近隣住民との関係が希薄化していくことで孤独化も課題になっています。
これらを解決する手段の1つとしてホームシェアリングが近年注目されています。
ホームシェアリングに関する課題を踏まえつつ、どのような工夫をして実現していくのか考えてみました。
共用スペースでの約束事と譲り合う柔軟性

ホームシェアでは多くの場所を共有することになります。
様々な異文化が集まれば当然各人の常識を超えた現象が発生します。
この問題について大学寮生活とシェアハウス週末生活を体験して気づいたことは
共用スペースのルールが曖昧だと揉め事の火種になる
ということ、つまり境界線の問題です。
個人の部屋の中がどうなっているかで揉めることはほとんどありません。
そこは完全なプライベート空間を確保されており、自分の好きなルールで運用可能だからです。
しかし、当然と言えば当然ですが、問題は共用スペースです。
ただ一律にこうしたら問題ないというものでもありません。
そこに住むメンバーによって設定するべきルールも柔軟に変えていく必要があります。
そのためここではルールを決めるのではなく、ポイントを考えます。
メンバー同士がよく話し合って、違いを理解し合って、愛を持って相談するというのが重要になります。

相手を責めるポイントとして考えるのではなく、こんなポイントで違いが生じやすいんだという話し合うアイデア人あればと思います!
共用スペースの課題その1:清潔感
共用スペースにおいてどのレベルの清潔感を保つのかが重要になります。
私が観察していて気づいたのは、清潔感には物理的な清潔感と化学的な清潔感の2種類があるということです。
物理的な清潔感とは目に見える部分。
例えばモノが整理整頓されている、あるべき場所にある、元の場所に片付けられている、などです。
化学的な清潔感とは目に見えない部分。
例えば水が飛び散っていないかどうか、油汚れがないか、などですね。
これは人によって結構分かれますが、実際に住んでみないとわからないものです。

たとえば私は物理的な清潔感においては重度の潔癖症?といっても過言ではありません。
部屋にモノが多かったり散らかったりしていると頭痛がしてきます笑

結婚して一緒に住みだした当初、ほっっっんとに時間さえあればいっつも整理整頓してたよね…

ご…ごめんね…
でも耐えられなくて…
一方で私は化学的な清潔感はあまりありません。
台所や洋服などの汚れはほとんど気にならないんですね。
化学的な清潔感が気になる代表として友人Aくんを紹介します。
Aくんを含め教会のメンバーでキャンプにいったとき、Aくんと同じ部屋になったときがあります。
わたしはAくんと仲良く話そうと思って、なんのきなしにAくんのベットに腰掛けました。
するといきなり叫ばれます。

本名さん!
今すぐ立ってください!

えっ!?なに!?

いきなり何してるんですか。
そこは僕のベットなので外に出た服装で座ってほしくありません。
これに共感される方も多いと思います。
ただわたしはほとんどなにも気にならないタイプなので、Aくんのいったことが理解できず冗談だとすら思いました。
しかしAくんにとって化学的な清潔感を保つことは非常に重要な要素なのです。
清潔感1つとってもこのような違いがあります。
台所や洗濯機周りなどの水回り、リビングの机の上や本棚、冷蔵庫など物を収納する場所など。
清潔感が関わる共用スペースのルールをホームシェアメンバーでよくよく話し合い、お互いを尊重して守る必要があると思います。
また守れない場合はどのように割り切るのか考えていく必要がありますね。
例えば自分で掃除しない人は短時間ハウスメイドを雇って掃除を外注するとか、月に1度全体掃除するとか。
一律にどうするというのも大事ですが、始めはメンバーに合わせて柔軟に設定していく方が、みんなが守れる現実的なルールになる可能性が高いです。
共用スペースの課題その2:音
共用スペースだけに限りませんが、生活音をどのレベルまで許容するかということも話し合うべき重要な要素です。
特に夜ですね。

大学寮では夜中まで共用スペースでゲームして騒いでなんども怒られました!
本当にすみません!
私の住んでいた寮や毎週末お世話になったシェアハウスはほぼ無法地帯でしたね笑
ワールドカップを夜中2時ごろ何人かで見てたのですが、ゴールが決まると床をどんどん叩く人がいたり。
部屋のドアを締める時びっくりするほど強い力で締める人がいたり。

本人はまったく悪気ないけど周りが気になってしまいますからね。
また高齢の方は補聴器を使用しているケースが多いです。
わたしも最近知ったのですが、通常の声を拡張して聞きやすくしているため子供の叫び声や大きい笑い声がかなり辛いらしいのです。
若い人たちはたぶんこの悩みがわかりませんし、補聴器を使用されている方も遠慮していいづらい側面があります。
やはりお互いの違いを知り、お互いに配慮しあっていく姿勢がホームシェアリングに必須です。
共用スペースの課題その3:共有スペースに置くモノ
共用スペースに何を置くのかも揉め事の火種となる場合が多いです。
例えば「共用の机には私物は置かないようにしよう」と話し合っても翌週平気で書類とかが放置されていた経験もあります。

これは習慣の問題ですが、ものが散らかっていても気にならない人がいるんですね。
最初に述べた物理的な清潔感と関連してきます。
共用スペースに何をどのくらい置くのか、良く相談して置く必要がありますし、問題が発生したらその都度話し合っていく必要があります。
話し合った結果全員が納得して落ち着いた面白い例を1つ紹介します。
私が毎週末お世話になっているシェアハウスでは、なんとリビングに炊飯器が4つ置いてあります。
始めは1つだったのですが、炊飯器を使った後に窯をすぐに洗わない人がいたり、炊いたお米をいつまでも放置しておく人が出てきたのです。
最初はすぐ洗うなどのルールができましたが、当然そんなルール守れません。
そこで行き着いたのが1人1つの炊飯器を持つという制度。

モノが多いのが苦手な私には理解できませんが、彼らは納得しているようです!笑
誰に言っても不思議がられ驚かれますが、住んでいるメンバーにとっては最適解なのです。
あるべき姿にこだわるのではなく、その人たちにとって心地よい形を目指すことも大切であると学ばされました!
ホームシェアで必ず起こるトラブルを予防

ホームシェアリングでは必ずトラブルが起こるもの。
そのためできるだけリスクを回避するためにお試し入居でマッチングしている団体もあります。
ここではホームシェアにおけるトラブルをどのように予防していくのか考えました。
ホームシェアの入居希望者に条件を設定
NPO法人リブ&リブでは高齢者(シニア)も学生も団体に登録する際に面談を受けることになっています。
たとえば以下のような参加条件を設けて、リブ&リブが想定しているような方かどうか判断します。
こうして他の人とホームシェアリングする姿勢がある、人格であると判断した上で、マッチングが行われます。
短期ホームシェアなどを本人がまずホームシェアリングとはどのようなものか知ることも大切です。
同時に第三者によって「あなたとホームシェアするこの人は安心できる方ですよ」と確認してもらうだけでも安心感がでます。
リブ&リブの事例のように、ホームシェアを行う上でこの人はホームシェアする適正があるかどうかを事前に判断することは、双方にとって非常に重要な事です。
ホームシェア形態は各人の希望に応じてタイプを選択する
ホームシェアを行う上でお互いがホームシェアの形態について希望を事前に明らかにすることは、お互いが心地よく過ごす上で有益な情報です。
たとえばフランスの異世代ホームシェアをサポートするNPO団体E2G(2006年6月発足)は3つのタイプをシニアにも学生にも選んでもらっています。
ホームシェアタイプ1:無料ホームシェア
基本的に学生はシニアと一緒に夕食をとる。
キッチンに自分の料理ができるスペースは確保されているため、食事はそれぞれ用意してもよい。
1週間に1回は自由に夜を過ごすことができる。
また、月に2回は自由に週末(金曜日の夜から月曜日の朝)を過ごすことが許され、1年の間に3週間の休暇を取ってよい。
なお、これらは学生が享受できる最低限の自由時間であり、シニアとの合意の上、増やしても構わないとされる。
https://synodos.jp/international/20078
基本的にはパートナーと一緒に過ごすことが求められます。
週6回一緒に夕食を食べ、月に2回の週末は一緒に過ごします。
もちろんパートナーとの相談で増やしても構わないため調整はできますが、基本的にはホームシェアメンバーと密に一緒に時間を過ごす前提です。

ホームシェアメンバーと密に関わり合いながら一緒に暮らせるタイプですね!
ホームシェアタイプ2:経済的住宅
学生は定期的に何らかの用事に付き添うことになっている。
例えば、庭仕事、芝刈り、パソコン指導、買い物、ペットの世話、病院への付き添い、日曜大工、郵便物の受け取り、戸締まり、ゴミ出し、留守番などである。
具体的な内容については契約書に示されている。
〜月50~90ユーロ(約6000〜10000円)の家賃を払う。
https://synodos.jp/international/20078
住居費を払いますが管理費用並に安くほとんど負担になりません。
また毎夕食を共にするというより、何かしらのお手伝いを定期的に行います。
適度な距離感と交流があるタイプです。

親戚の家に居候する感覚に近そうですね。
お世話になるうえで最低限のお金と家族としてのお手伝いを行うみたいな。
ホームシェアタイプ3:連帯住居
学生は勉強優先で構わないが、シニアへの気配りは欠かさず、自発的に手伝いをすることとされる。
あくまで孤独を解消することが目的なので、礼儀をわきまえ、敬意と思いやりに満ちた関係の中で同居することが望まれる。
パリの場合は月400~450ユーロ(市場相場は月550~600ユーロ)、イル・ド・フランス地方の場合は月250~350ユーロ、プロヴァンス地方の場合は月250~300ユーロの家賃を払う。
https://synodos.jp/international/20078
一般的なルームシェアに近い形ですね。
他2タイプよりも家賃は高いですがそれぞれが独立して活動します。
とはいえ家賃も市場相場より30%OFFで家を借りることができる点は、学生にとって大きなメリットであると言えます。

夕食を必ず食べなければいけないんどの強制力もありませんが、せっかくならそういう機会を持ちたいと思いますね!
人それぞれホームシェアリングに望む形が違うとすれ違いも多くなってしまい、その点が問題と捉えられがちです。
しかし事前にホームシェアに対して望む形を公開することで、適切なマッチングを行うことができればいろいろな形のホームシェアを実現する事ができるのだと思います。
ホームシェアメンバー以外の第三者による仲介
ホームシェアリングを実現する上で、第三者による仲介は非常に有効です。
何度も紹介しているリブ&リブではマッチングのサポートだけでなく、マッチした人たちが同居を開始した後もサポートしていきます。
シニアや学生に個別にメールや電話、時には訪問も行います。
同居をする中で、ペアに対して直接言いにくい要望を、都度コーディネーターが間に入ってサポートしてくれるのです。

不満があっても中々言い辛いのホームシェアの難しさ。
利害関係のない第三者が仲介してくれるのは非常に助かりますね!
上で紹介したフランスのNPO団体E2Gも同様の取り組みを行っています。
NPOは入居後も定期的に住宅訪問やメール・電話等でケアしてくれるのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
もともとホームシェアリングをやりたいと願っていた事もあって、今回ホームシェアリングの実現について真剣に考えてみました。
課題や実例、実際の実現方法などについても考えてみましたのでよければ合わせてお読みください!



God bless you!