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子どもが学校で学ぶ事と現代社会が求める事に乖離があると思ったことはありませんか?
現代はリモートワークやAI利用など新しいテクノロジーが発展したにも関わらず、教育業界においてはそのスタイルや内容はほとんど変化していません。
事実私たちもあなたが受けた20年前の教育とほぼ変わらない教育が、今の子どもたちにも施されています。
実は現代教育のルーツは1800年代帝国主義時代までさかのぼる事になります。
そんな中次世代教育を模索するため、学習指導要領を逸脱して新しい教育を提供するN高等学校やゼロ高等学院なども創設されました。
しかし公立中学校にも関わらず、次世代教育を行おうと教育改革を行う中学校がありました。
この記事では現代教育を抜本的に改革する公立学校・千代田区立麹町中学校をご紹介します。
今回は公立学校で起きている教育改革の内容についてご紹介いたします!
麹町中学校の教育改革10:体育祭は生徒が自主運営
ほとんどの学校では体育祭や文化祭などを教員が主導して進めているでしょう。
しかし麹町中学校の体育祭や文化祭などは、完全に生徒主導で行われます。
なぜなら麹町中学校は自律を重んじているため、こういったイベントも生徒が自律的に主導できるように任せているのです。
実際に工藤校長から出されたオーダーは「観客のことは考えなくていいから、自分たちが楽しめるように企画してほしい」という1つだけであり、企画も実行も全て生徒が取り組みます。
学校はこの体育祭を通しても、生徒たちが自分たちで考え、行動する自律を養おうとしているのです。
実行委員長を務めたMさん(3年生女子)は、このコンセプトを大きな目的と置いて準備したプロセスを振り返る。
悩みどころだったのは、昨年まで目玉種目の一つとして存在していた「3年全員リレー」だった。
「生徒全員を対象にアンケートを取ったら、『全員リレーをやりたくない』という声が意外と多かったんです。
でも『やりたい』という人も、もちろんたくさんいました。
続けても、なくしても、みんなが楽しめるようにはならない。そんな議論をした結果、今年は有志リレーという形にしました」
単純に多数決で物事を決めるのは簡単だ。しかしそうはしなかった。
少数意見も取り入れなければ、「みんなが楽しめるように」という目的から外れてしまう。
「目的から逆算して手段を決める」というのは、常日頃から工藤氏が伝え続けていること。
生徒たちは悩みながらも、この大原則に沿って答えを出していったのだった。
Mさんは「社会に出たら、何もかも指示されるなんてことはない。だから自分たちで企画し、自分たちで実行してほしい」という(工藤校長の)言葉が強く印象に残っていると話す。
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/13532
教員が企画して実行するような体育祭しか経験したことがない私たちからすれば、そもそも自分たちで立案・企画・実行している時点で素晴らしいと思います。
しかしとにかく企画をこなす事を目指すだけではなく「どのようにしたら生徒全員が楽しめるのか」という高い目標に向かって自分たちで考えて行動している事が分かります。
それを誰かに「考えなさい」と指示されたわけではないけれど、何も考えないで単純な多数決にするわけでも、少数派をないがしろにするのでもありません。
生徒自ら「全員が楽しめる様に」という課題に対して自発的に考え、行動しているのです。
いきなりこのレベルに達するのは難しいと思いますが、麹町中学校の教育が生徒に浸透しているがゆえに、このような自律性の高い生徒が育っているのですね。
この行事もその自律性を育てる一環となっています。
麹町中学校では、体育祭すらも生徒の自律を養うために生徒に全面的に任せる様にしています。
麹町中学校の教育改革11:定期テストの廃止
麹町中学校では定期テストを廃止して、年に数回成績評価とは関係のない実力テストを行っています。
なぜなら「現状のテストは、教員が生徒を評価しやすくするための仕組みになっていないか?」と考えたからです。
本来テストは生徒が「自分に学力が定着しているか」を確かめるためにあるもの。
つまり生徒が自分を図るための道具です。
しかし現在の教育現場では、定期テストは大人の都合が多分に含まれています。
実際にほとんどの学校では「テストで生徒の学力を評価」します。
それは当然の事に思えるかもしれません。
ただそこには大人が「テスト以外で生徒を評価する手間を省くため」という大人の都合が含まれているのです。
そこで麹町中学校では「大人が生徒の学力を評価するための定期テスト」を廃止し、「生徒が自分のために実力を測るテスト」を取り入れました。
自分の学力がどれだけ定着しているかを見るものなので、出題範囲は示さない。
また、実力テストの結果は成績評価にも算定されない。
生徒にとっては、完全に純粋な、自分のためだけのテストなのだ。
~
「そもそも、勉強とは自分から自発的に取り組むものであって、定期テストだから勉強するというのは本末転倒です。
瞬発力も大事だけど、勉強はそれだけではない。
日常的にテストという目標が身近にあることでモチベーションが継続し、すきま時間をうまく使う習慣も身に付いていくんです」
~
(実力テストを導入することで、)「特に3年生はよく質問に来ますね。小テストや単元テストが近くなると本当に多いです。
1回あたりのテスト範囲が狭いことで、『自分の分からないところが分かりやすく』なったのでしょう。
教員としても、生徒の理解度を以前よりもつかめるようになりました」
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/14365
実力テストにおいても目的志向や生徒最優先の考え方が徹底されています。
成績にも反映されるわけではないので、生徒は成績のためにテスト勉強を行わなくなります。
成績評価のためのテストがないんだったら生徒は勉強しないんじゃないの?
と思うかもしれませんが、麹町中学校の生徒はむしろ積極的に質問して自分の実力を向上させることに努めています。
生徒自身も「テストは成績のためではなく、学力が定着しているか判断するためのツール」であることを理解しているのでしょう。
また生徒とのコミュニケーションが増えた事で、結果として教員も1人1人の生徒の理解度を把握しやすくなったのは印象的です。
「生徒の理解度を効率的に図るためテストを廃止」して生徒と対話するようになることで、以前よりもより生徒の理解度を正確に測ることができるようになったのです。
「~大学入試制度も大きく変わっています。
やらされ勉強ではなく、いかに自分で決めて勉強をするかが今以上に問われる時代になっているはず。
自身で課題を見つけ、必要なときに勉強をする。
必要がないところは手を抜いてもいい。
それを自分で考え、判断し、行動できる力は、大人になっていくに連れてますます重要になっていくのではないでしょうか」
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/14365
社会構造だけではなく大学の入試制度ですら変化するならば必然的にそこにつながる中学校・高校も変化しなければなりません。
いつまでも「決まった日までに決められた範囲を正確により多く暗記する能力」が高い人が大学に入れる時代ではないのです。
麹町中学校は定期テストを廃止する事を通しても、生徒の自律を養うことを目指しています。
麹町中学校の教育改革12:修学旅行をスキルアップのためのツアー企画取材旅行へ
麹町中学校において修学旅行は「ただの楽しい旅行」ではありません。
なぜなら「生徒が考案する独自の旅行ツアーを企画するための取材旅行」だからです。
実際に麹町中学校は修学旅行すらも「これからの時代を生きるためのスキルアップ研修」として活用しています。
「私たちが今回提案するコンセプトは『和映え』です」
2018年10月に行われた麹町中学校の「ツアー企画取材旅行発表会」。
生徒たちが次々とプレゼンテーションを行う演壇には、この日、全24チームの中から最優秀賞であるプレゼン大賞に選ばれた5人が立っていた。
パワーポイントで制作されたスライドに映し出されるのは、自分たちで京都・奈良を巡り、撮り貯めた数々の写真。
そしてその体験をもとに構成した「1泊2日の旅行企画」だ。
~プレゼンのクオリティの高さにも驚かされた。
代わるがわるマイクを握る5人の生徒は、原稿を読むことなく、観衆へしっかりと視線を向けて語りかけている。
さらにパワーポイントの資料には、見やすさはもちろんのこと、伝わりやすさを意識した工夫も数多く盛り込まれていた。
~
このイベントに参加する3年生たちは「旅行代理店の社員」という設定だ。
2泊3日の旅程に先立ち、生徒たちはクラスで話し合いながらチームを組んで独自の旅行プランを考える。
ここで言う旅行プランとは、自分たちのためのものではなく、「誰かに提案するため」のもの。
だからターゲットを考えるし、そのターゲットに何を伝えたいかというコンセプトも明確にする。
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/14560
私の場合修学旅行といえば、ただ友人と楽しく過ごすだけで、そこから何かを学ぶようなものではありませんでした。
また誰が読むかもわからない、いや誰も読まないであろう報告書を同行したメンバーで作成しなければなりませんでした。
しかし麹町中学校では生徒が「自律的に考え、企画し、伝える力」を学ぶために活用されています。
生徒たちはツアーの概要を考え、そのために必要な写真を現地で撮影し、情報を収集します。
そして画像やプレゼン資料を作成する中で、デザインやライティングスキル、またプレゼンテーションスキルを学んでいくことができます。
これはまさにN高等学校やゼロ高等学院が取り入れているプロジェクト型学習そのものでしょう。
しかも麹町中学校のこれらの活動は大手旅行代理店の社員が実際にサポートしてくれ、最終的には審査まで行います。
「人々を引き付けるためのツアーを企画するプロフェッショナル」からの全面バックアップを受けながら、企画を進めることができます。
このツアー取材旅行を通して「楽しかった」という思い出だけでなく、生徒たちは実際の社会で役立つ力を学ぶのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
このような教育改革はまだまだ広まっておらず、多くの生徒は現代社会からまとを外した従来型の教育を受けています。
もっと多くの公立学校が「自分たちの生徒を社会で通用する人財に教育する」という目標を見据えて、枠組みを変えていってほしいと感じました。
あなたはどう感じたでしょうか。
麹町中学校のような教育改革を行った学校に自分の子どもを入学させたいですか?
それとも普通の中学校でしょうか。
それともホームスクールでしょうか!笑
1人1人の子どもに合わせて、子どもを最もよく知る親が悩み子どもと相談し家族で選んでいきたいですね。
God bless you!
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①【ホームスクーラーも必見】現代教育の常識を覆す千代田区立麹町中学校
③【教育改革】固定担任制を廃止して全員担任制に!麹町中学校の取り組み
改革が必要なのは学校だけではありません。私たち社会人も変わらなければいけません。
サラリーマンって和製英語なのに海外で通じるんです。「過労死するほど働く日本のビジネスマン」って意味で。
社会構造が変化する中で資産をどのように形成するべきかも変化してきました。
過去30年は貯金をすれば資産を形成できましたが、我々の時代は同じことをしても資産は増えません。
貯金以外に投資しなければ資産は増えないのです。
介護業界でも改革を行った人がいます。
『「何かあったら危ないから」といって、じいちゃん・ばあちゃんを長時間椅子に座らせっぱなしにする、寝かせっぱなしにするのが介護の仕事でしょうか?ぼくはそうは思いません。』
どこの業界も同じです。本質を見失っていくと教育される側ではなくする側、介護される側ではなくする側の都合が優先されていくのですね。