完母じゃなきゃダメ、ミルクは栄養素が高い、母乳をあげると眠りが浅い、ミルクには免疫物質が含まれていない…???
母乳育児に関して、巷はいろんな情報で溢れかえっている…。
いざ本番を迎える前に、きちんとした出典から解説されている信頼できる本を読んで勉強しておこう!と奮い立ち、図書館で借りてきた3冊をご紹介。
ちょっと理系な育児 母乳育児篇 / 牧野すみれ
著者の牧野さんは東京大学工学系研究科化学生命工学専攻を卒業、現在は民間企業にてがんなどの疾患をターゲットにした研究をされている、ばりばりのリケジョ…!
「ちょっと理系な育児」という人気ブログを運営されていて、その記事の中でも母乳育児に関する内容をまとめたものがこの本。
本書は、迷信や俗説が溢れる「母乳育児」に関して、WHOが出している母乳育児のガイドライン『乳幼児の栄養法』の翻訳とその解説を中心に書かれています。
想像していた “ママのための母乳育児の本” というほんわかな雰囲気を打ち砕く、科学的根拠に基づいたとっても知的な内容です。(それでいて読みやすい!やまもとりえさんのイラストすき〜)
親が自信を持つことは、母乳育児はもちろん、子どもを健やかに育てるために重要です。
WHOガイドライン『乳幼児の栄養法』から得られる圧倒的な質と量の科学知識は、「自分たちのペース・やり方の方が、一般常識や周囲の意見よりも重要である」ことに、自信を与えてくれるでしょう。まず私たちは、「栄養法の科学的知識と適切なスキルを身に付けること」に大いにこだわってから、その後、自分たちはどうしていきたいかを余裕を持って考えられるといいんじゃないかと思います。
「ちょっと理系な育児 母乳育児篇」P4
私はまだ子どもを産んでいない身ですが、いつの間にか見聞きして当然と思っていた俗説なるものに影響を受けていたんだなと思いました。その中には科学的根拠がないばかりか、逆に非効率な母乳育児を進めてしまう方法もあるのです。
などなど、目から鱗の情報ばかりでした!
そしてそして、母乳育児を進める上で「授乳を始める前に知っておいてよかったな〜」と思えることがたくさんありました。
その他にも、搾乳の方法や乳腺炎の対処法などなど、具体的に解決してくれる内容に富んでいるので、入院中や産後にまた改めて読みたいなと思いました!
10人産んだスーパー助産師のストレスゼロで続けられる!母乳育児の本 / こばやしひさこ
沖縄にある助産院ばぶばぶの助産師さんによる、気軽に読める母乳育児の本。
書名には「10人産んだ」とありますが、それからもう1人生まれ、現在なんと12人目妊娠中らしいです!すごすぎる…。
本書に繰り返し書かれているのは、「がんばらなくていい」ということ。
気を張って食事管理や育児日誌をがんばらなくても、なんとなーく、てきとーに楽しく続ける方がいいですよ〜と肩の荷を降ろすように促してくれます。
母乳育児は軌道に乗るまでが大変。最短で楽に軌道に乗る方法をわかりやすくまとめています。
1冊目に紹介した「ちょっと理系な育児」の土台となっている、WHOの母乳育児のガイドライン『乳幼児の栄養法』の情報もちらほら出てきます。
「ちょっと理系な育児」の方が詳しく情報量が多いですが、内容はほぼ一緒。ひと段落は短く、雑誌のコラムみたいに気軽に読めるようとっても易しい言葉で書かれているので、隙間時間にさくっと読めます。
個人的に印象的だった項目はこちら!
YouTubeもやってるみたい!なので、気になる方はぜひ〜。
小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK / 森戸やすみ
こちらは母乳育児に関する本ではなく、2児の母でもある小児科の先生が、診療中に出会ったママさんたちの素朴な疑問に答えていく内容です。
などなど、「病院に電話して聞くほどでもないけど、このままで大丈夫か不安…」というような疑問に、一問一答形式で、お医者さんらしく端的にすぱっと答えてくれています。
回答を読んでいると、ほとんどの疑問に対して「神経質にならなくても大丈夫なんだな〜」という感想を抱きます。
赤ちゃんの視点に立てば、完璧な育児や家事をすることよりも、大切なことがあります。それは大好きなお母さんやお父さんに「大好きだよ」と言われたり、一緒に遊んだりすること。
医学的にも根拠がある大事なことだけを押さえて、あとはもっと楽しく育児をしましょう、というのがこの本の目的です。
「小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK」P5
もちろん、症状の悪化に繋がる危険性や例外的なケースも紹介してあるので、 “様子見” と “即受診” を見極める知識が身につきます。
回答の根拠となる文献等の引用元も質問ごとに明記されているのも安心です。
時間のある時に読んでおくと、いざという時に慌てない類の本ですね。