「レビ記」をひと言で説明すると、
聖い神と人が交わりを保つ方法。
レビ記のアウトライン
大きな分類
- 神に近づくための犠牲と祭司(1~10章)
- 汚れからの分離と祝福の約束(11~27章)
細かな分類
- 神に近づくための犠牲と祭司(1~10章)
- 全焼のささげ物
- 穀物のささげ物
- 交わりのいけにえ
- 罪のきよめのささげ物
- 代償のささげ物
- 祭司の任命
- 汚れからの分離と祝福の約束(11~27章)
- 諸規定
- 贖罪の日
- 祭司への規定
- 聖なる祭り
- 過越の祭り
- 種を入れないパンの祭り
- 初穂の祭り
- 五旬節の祭り
- ラッパの祭り
- 贖罪の日
- 仮庵の祭り
- 安息年の規定
- 祝福の約束
レビ記の著者・背景
旧約聖書のはじめの5つの書(創世記・出エジプト記・レビ記・民数記・申命記)は、
ヘブル語で「トーラー(Torah)」と呼ばれ、もともと一つの書としてモーセが記したものとされている。
5つの書簡をそれぞれ切り離して考えてしまいがちだが、著者はモーセ五書全体で伝えたいことがある。
レビ記の著者(Who)
- モーセ
エジプト生まれのレビ人。
父・アムラム、母・ヨケベテ、兄・アロン、姉・ミリアム。
レビ記の時期(When)
- 幕屋が建設された4月1日(出40:2,17 / レビ1:1)から、イスラエルの民がシナイ山を出発した5月20日(民10:11)の間の出来事。
レビ記が書かれた目的(Why)
- カナンの地に入るイスラエルの民(出エジプトを経験していない第二世代の人たち)に向けて、なぜカナンの地に入るのか、どのような約束があるのかを伝えるために書かれた。
- 祭司職を担うレビ人のためのマニュアル書。
書名(Title)
「レビ記」という書名は、70人の学者によって翻訳された際に付けられた。
ヘブル語の書名は「ヴァ・イック・ラー」:「そうして彼(神)はお呼びになった」。
神に贖われた者が神の御前に近づき、神と交わり、神を拝し、神の聖さに与らせるために、神が人々を呼ばれたということ。
レビ記から学んだこと
聖い神の願い
堕落した民をエジプトから贖い、幕屋が完成して最初に神が語られたのが人が神と交わるための方法・交わりの内に保たれるための聖い歩みについてだった。
神は事細かな規定を与えてイスラエルの民を支配したいのではなく、交わりを持ちたいと願い求めてくださった。
全焼のささげ物
5つのささげ物の筆頭に記されているのが、神への献身を表す自発的なささげ物、全焼のささげ物。
動物を捧げる時に目の前で動物が死んでいくが、本来は人間がそうなるべき存在であることを示している。その喉を掻き切って殺す度に、人々は罪が招くものが死であることを確認させられた。
動物の頭に手を置くのは、裁きを受けなければならない自分に代わって、動物にその裁きを受ける使命が移行したことを表す。
人は罪のゆえに、神との交わりを壊し、聖なる神を怒らせ、神の裁きのもとに置かれている。その事実が、いけにえを伴う礼拝行為によって繰り返し示された。
聖なる国民
聖書は神を「聖いお方」として教えている。
「聖い」とは他のすべてのものとは「違う」という意味。
神はご自分の民にも同じように「聖さ」を求め、他の民族と違う生き方をして欲しいと願っておられる。細かく定められた犠牲の種類・食物規定などの律法に、この神の「聖さ」が反映されていた。
日常生活の中でこれらの規定を守るイスラエルの民に、自分が神の民であることを思い出させた。
わたしは、あなたがたのただ中にわたしの住まいを建てる。
わたしはあなたがたの間を歩み、あなたがたの神となり、あなたがたはわたしの民となる。
レビ記 26:11,12
律法って縛りが多くて堅苦しいイメージあるけど、人が神さまと交わるための方法って理解すると180度見え方が変わる…!
- 輪郭的聖書/ロバート・リー
- 旧約聖書の概説/ヘンリエッタ・C・ミアーズ
- 新聖書ハンドブック/ヘンリー・H・ハーレイ
- バイブルガイド/マイク・バーモント
- ハーベスト・タイム『60分でわかる旧約聖書「レビ記」』
- レビ記概説/聖書基礎研究会 S.W.
※ 聖書のみことばは「聖書 新改訳2017」から引用しています
こんな記事もおすすめ
モーセ五書も後少し。次は民数記です!
レビ記は一読しただけでは内容が分かりづらい書簡。ぜひ概略だけでもご自分で学ぶことがおすすめ。