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『小説パウロ』からパウロを知る 〜パウロの生涯をありありと描いた名作〜

りょう
りょう

こんな疑問をお持ちの方におすすめの記事!

  • パウロの生涯を臨場感を持って知りたい人
  • 使徒の働きにある伝道旅行を生き生きと読みたい人
  • パウロ書簡が書かれた背景をより詳しく知りたい人

新約聖書においてイエス・キリストの次に注目を集めるのがパウロというクリスチャン。

聖書を読むほどこのパウロの生涯をより詳しく知りたいと感じます。

でもその生涯を学ぶには使徒の働きをはじめ、パウロの手紙を念入りに調べる必要があり、なかなか腰が重くて後回しなりがち…

そんなあなたに『小説パウロ』がおすすめ。

『小説パウロ』はパウロの生涯を小説風に描いたものです。

パウロの当時の伝道旅行はどんな様子だったのか、どんな心情だったのか。

パウロの改心からはじめ伝道旅行やその生涯の最後まで、状況や心情が臨場感を持って描かれています。

しかも聖書や歴史資料を念入りに調べ、それらを土台としているため、安心感を持ってパウロの生涯を学べるよい入門教材となっています。

この記事では小説パウロのあらすじや感想をまとめました。

最後までお読みいただければ、『小説パウロ』が「パウロの生涯をより深く学びたい!」という悩みを解決してくれることがわかります。

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『小説パウロ』のあらすじ

かつて迫害したキリストに命をささげた男がパウロ。

その人物像をドイツ人気放送劇作家・ヒルデガルト堀江さんが、確かな時代考証で聖書から活写したロングセラー歴史再現小説が『小説パウロ』です。

パウロの改心からローマでの処刑とその生涯の全てを描き、パウロ書簡のメッセージの背景にある出来事や状況が手に取るように分かる。

時代や民族を超えて人々を動かすイエス・キリストの教えと生き方。これらを世界に伝えた使徒パウロの生涯をリアルに再現し、キリスト教の真髄を物語ります。

いのちのことば社紹介ページより引用

『小説パウロ』を読んだのはパウロの生涯を詳しく知りたかったから

私が『小説パウロ』を読むきっかけは、教会の牧師(長老)がおすすめしてくれたからです。

その方の感想としては、

「パウロ絶筆の書 “第二テモテへの手紙” がどのような状況で書かれたのか。使徒の働き以後の “ローマでの生活” はどんな様子だったのか。聖書に書かれていないけど気になる部分に対して『なるほど〜!』という考察がなされているのでおすすめ。」

とのこと。

ちょうどパウロの生涯について詳しく調べてみたいなぁと考えていた矢先の出来事でしたので、これはいいこと聞いたと早速購入して読んでみました。

『小説パウロ』をおすすめする2つの理由

『小説パウロ』はパウロの生涯を学ぶうえでの推薦図書になると思っています。

実際に読んだ私が「これは他の人にも読んでもらいたいな!」と思う2つの理由をまとめました。

『小説パウロ』はパウロの生涯における緊張感・切迫感を見事に再現してる

1つ目の理由は、『小説パウロ』を読むことでパウロの生涯や伝道旅行への理解が深まるからです。

なぜならパウロへの迫害や殺意からくる緊張感・切迫感が、非常にリアルに描き出されていたからです。

私にとってなかでもひときわ印象的だったのは、パウロが改心後にアンティオキア教会から送り出され第一次伝道旅行へ向かう場面です。

ペルゲ、ピシディアのアンティオキア、イコニオン、リステラ、テルべと、行く先々で福音を語るものの、迫害され街を転々とします。

この場面について聖書では「パウロとバルナバを迫害させ、二人をその地方から追い出した。二人は彼らに対して足の地理を払い落とし、イコニオンに行った。」と、シンプルに「迫害があった⇨次の街へ行った」という事実だけ書かれています。

私はなんとなく「あぁ、福音を語ったけど『気に入らないから出てってくれ!』と追い出されたのかなぁ」くらいのイメージでした。

しかし『小説パウロ』では違います。

ユダヤ人指導者たちのパウロに対する怒りと怒号。またパウロを追い出すことにとどまらず、殺意に満ちあふれて殺害を企てるその狂気的な様子

他にもあパウロを救おうとするクリスチャンの焦りや、ユダヤ人指導者たちに見つからないように街から逃げ出す際の緊張感

そうして体調の回復が十分でなく、食料や水の準備もなく追い出され、しかもパウロたちにとっては土地勘がない土地でもあるため、次の街までの道のりは決して楽なものではない過酷な旅路

ようやく着いたその街でもまたすぐに殺意を帯びた迫害によって追い出される。

これらを読みながら、私はパウロの伝道旅行への印象がガラリと変わりました

彼はいのちが保証された”安全なおつかい”に出かけたのではありません。

むしろいついのちを失うともわからない極限状態の緊張が強いられる、“いのちがけの戦い”に出ていったのです。

この第一次伝道旅行をはじめ、パウロの生涯がありありと描かれており、最後の最後まで息もつかせぬストーリーテリングでした。

このように『小説パウロ』では臨場感を持ってパウロの人生を読むことができるため、パウロの生涯や伝道旅行への印象が大きく変わることは間違いないでしょう。

『小説パウロ』を読むと使徒の働きとパウロ書簡がつながりだす

2つ目の理由は、使徒の働きとパウロ書簡のつながりがよく分かるようになることです。

なぜなら『小説パウロ』のなかで、パウロが伝道旅行中に各教会へ手紙を書く(いわゆるパウロ書簡)からです。

例えばどの場所、どのタイミングでテサロニケ人への手紙が書かれたのか。

そこにはどんな背景があり、またなぜこの内容を書かねばならない状況になったのか。

その手紙が書かれた背景や具体的な状況を描くため、「使徒の働きのどの箇所で何が起きたのでこの手紙が書かれたのか」がとてもわかりやすくなっています。

そのためもし余裕があるならば『小説パウロ』を読みながら、聖書地図や使徒の働きを並行して読むことを心からおすすめします。

「あぁ、パウロはこんなにも兄弟姉妹に直接あって語ることを切望しているのに、こういう状況だから仕方なく手紙を書いているのか…」とか、

「あんなにすぐに追い出されんじゃ、終末に関することが伝えられるはずないよね…だからテサロニケ教会へ手紙を書く必要があったのか。」

など、私は手紙に込められたパウロの心情を伺い知ることができました。

このように使徒の働きとパウロ書簡のつながりがよく分かるようになることは、『小説パウロ』の大きな魅力です。

『小説パウロ』を読むときの注意点

『小説パウロ』を読むときの注意点は特にありません(笑)。

こういった “聖書を再現した映画” や “書かれていない部分を描く小説” などの注意点は、「これは聖書に書かれているか、想像か」を区別する必要があることです。

『小説パウロ』もその点は同じです。

ただ本書は聖書や歴史資料がよく調べられているため、あまりその点を気にして読む必要がありません。

小説にもかかわらず、行き過ぎた想像がないため非常に安心感のある内容でした。

デメリットをあえて言うなら分量

480ページもありますが小説として面白く、あれよあれよと読めてしまうので「読むのに時間がかかったなぁ」という印象はありません。

パウロの伝道旅行がこれほど見事にありありと描き出された作品はそう多くはありません。

自分だけでなく「自分の子どもや聖書を読みはじめてまもない人」に貸してあげれば聖書に親しみを持ちやすくなると考えれば、惜しまずに投資してよい本だと思いました。

以上から『小説パウロ』を読むときの注意点は特にありませんという結論でした…!

『小説パウロ』ならパウロの人生を追体験できる

  • 『小説パウロ』は楽しく臨場感を持ってパウロの人生を追体験できるパウロ入門の書。
  • パウロの改心や伝道旅行がどれほどの緊張感・切迫感を持っていたのかありありと描いている。
  • 使徒の働きの中でパウロ書簡がどのように書かれたのかを描くため、パウロ書簡と使徒の働きの関連性がより鮮明になる。

新約聖書の中心人物の1人であるパウロ。

そのパウロの生涯を小説風にすることで、パウロが当時置かれた状況や抱いていた心情をリアルに味わうことができるのが『小説パウロ』でした。

私はこの本を読んだおかげで、伝道旅行やパウロ書簡がかなり身近になりました。

使徒の働きを読む時にパウロの苦労を想像したり、パウロ書簡を読むときにはその込められた想いを汲み取れれるようになったり。

聖書の読み方が大きく変化したように思います。

もちろんあくまで著者の推察も含まれていますし、基本的には聖書や歴史に記録されていない心の動きはわかりません。

しかしそれでも、聖書や歴史資料をよく調べた放送劇作家によるパウロの生涯は一見の価値があります。

パウロの当時の伝道旅行の様子、その時の状況や心情。

『小説パウロ』はそれらを見事に描き出しているため、使徒の働きやパウロ書簡を理解するうえで大きな助けとなると思います。

あなたの聖書理解が深まり、聖書がただの事実の羅列ではなくリアルな出来事として捉えることができることを心よりお祈りしてます。

God bless you!

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なんといっても聖書の中心はイエス・キリスト。その生涯を鮮明に描いてくれたドラマ『The Chosen』もおすすめです。

イエス・キリストの復活は当時の人にとってどれほど衝撃的な出来事だったのか。映画『復活(RISEN)』がユニークな舞台設定により見事に描いています。

小説や映画はあくまで入門書やサポートアイテム。やはり聖書をしっかり読むことは欠かせませんね。

この記事を書いた人
りょう

某都立大学院で化学専攻。大手企業で5年間最先端研究開発に携わった後、日立系IT企業で営業として活動中。

愛妻と娘の3人暮らしでホームスクール中。
将来は子ども食堂の運営、クリスチャンスクール、異世代間シェアハウスの設立を目指しています。

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マムレ日記|クリスチャン夫婦のホームスクール日記
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