2021年1月。
新型コロナウイルスの流行による東京都で2度目の緊急事態宣言の発令中、第一子を出産しました。
コロナ禍のもとでの出産。。
私の出産した成城マタニティクリニックでは、分娩立ち合いはもちろん、入院中の面会もすべて禁止でした。
初産でひとりきりでの出産だったので、心細くて仕方ありませんでした。その様子も踏まえて出産レポを書きたいと思います。
自分の振り返りのためにも、少し詳しく、出産の兆候が見られた数日前から記録していきます。
これから出産を控えている方の励みになれば!
はじめに|妊娠経過・母体・分娩について
出産11日前|妊婦健診
院長の診察。子宮口1cm。
予定日過ぎての健診ではNSTをすること、予定日を1週間過ぎたら陣痛の有無関係なく入院して陣痛促進剤を使って分娩を促すことを説明される。
「たくさん歩いてお腹張らせてくださいね」と言われたので、
「運動って歩くだけでいいんですか?(スクワットとか雑巾掛けとかは不要…?)」と聞いたら
「そう。もう、3時間くらい歩いたらいいんです!」と言われる。
この言葉を愚直に信じて、この日を境に毎日3時間(20,000歩弱)歩くことを心がける!
出産3日前|最後の妊婦健診
NSTとエコーと内診。子宮口3cm(毎日狂ったように歩いた効果…?)。
院長による初の内診ぐりぐり(卵膜剥離)。
想像していたような刺激痛ではなく生理痛のような重い鈍痛。深呼吸していたら普通に耐えられるレベル。
でも思ったより時間が長かった…!けっこう出血したのでナプキンをもらう。
来週までに生まれなかったら病院側から連絡するので入院して促進剤使いましょう、とのこと。
なので妊婦健診はこの日で終わり。
出産2日前|待ちに待ったおしるし
22:00
前駆陣痛あり。陣痛の間隔を計った方がいいのかと思いあまり眠りに集中できず。
04:30
トイレに行ったらおしるし?ピンクの粘り気のあるおりものが出た。
10:30
散歩から帰ってきたら赤茶色のおりものが出ている。明け方の時より量も多く、どろっと出てきた。
20:00
マンションの5階まで階段を3往復してお腹を張らせる。
出産1日前|いよいよ陣痛のはじまり
1日を通して、昨日に引き続きスライム状のおりものが何度も出る。血は混ざっておらず、クリーム色~黄色。
16:30
10分おきくらいに生理痛のような痛みがある。3回くらい繰り返されたので陣痛の始まりかもと思い夫に報告。
18:00
痛みは遠のくが、恥骨と尾てい骨が痛む。
21:00
これが陣痛だとわかるほどの、生理痛とは違う、腰がどしんと重い痛みがある。
リビングの隣の部屋に布団を敷いて、陣痛の合間に仮眠。まだ間隔は15分程度。
22:00
まばらではありつつも、痛みの間隔が15〜10分ほどになってきたので成城マタニティクリニックに電話(10分間隔になったら電話するように言われていた)。
私の話している様子から進み具合を知るためか、助産師さんに割とゆっくりいろんな質問をされる。まだ普通に話せる。
「10分間隔に揃うまで頑張ってください」と言われる。
出産当日|長い夜が明け、いよいよ産院へ!
00:00~
夜通しひたすら陣痛に耐える。
痛みのピークの波が過ぎると、吐く+全身がガタガタ震えるという現象が。胃が空っぽになってからも水ばかり吐く。「痛すぎて吐く」ことがあるんだと新たな発見…。
痛みのピーク時は汗をかくほど暑いのに、痛みが遠のくと寒いのか無意識に身体が震える。
体力を温存しなければと陣痛の合間に横になっていたけれど、寝ている状態で陣痛を迎えると痛みが強くなる気がする。
夫にテニスボールで尾てい骨あたりを押してもらうと刺激が分散?される感じで幾分マシに。
一番痛みが軽減されたのは、はんなりママという方のYouTube動画で紹介されていた、正座の姿勢でおしりの部分にテニスボールを押し付ける方法(でも痛くないわけでは全然ない!)。
あと、陣痛の合間に寝て休んでいると陣痛の間隔が開いてしまう…。このせいで間隔が縮まりにくかったのかも。
06:00
10分間の陣痛間隔がだいたい揃ってきたので産院に電話。
またいろいろな質問をされ、まだまだだと思われたのか、
「間隔が5分くらいになるまで頑張ってください」とのこと。
08:30
陣痛の間隔が5分を切ってきたので再び産院に電話。
痛みのピーク時は話せないどころか唸り声が出てしまう。
「いきみたい感覚はありますか?」と聞かれ、ちょっとしかなかったけど「あります!」と即答。
とにかく場所を移して苦しさを紛らわしたい一心だったけど、産院で数倍の痛み+ひとりっきりという状況に耐えなければならないということまで考えが及んでいなかった…。
事前に登録しておいた陣痛タクシーは電話して10分ほどですぐ到着。
09:00
産院到着。
夫には荷物を助産師さんに渡して帰ってもらう。心細すぎる。
トイレに行って和室のLDRへ(まだなんとかひとりでトイレに行けた)。
助産師さんに分娩着に着替えさせてもらい、お腹に胎児の心拍数と陣痛を計測するモニターを巻く。湯たんぽと毛布をもらう。
自分ではほとんど何もできず、布団に横になる。
11:30
院長の内診。子宮口7~8cm。
助産師さんに、
「子宮口開くの早いねぇ。夜になるかと思ったけど、この調子だと早いかもね。」
とあやふやなコメントをいただく。「早いっていつー?!」という心境…。
12:00
陣痛が辛過ぎてナースコールを何度も押す。
「どうされました〜」と聞かれて、「痛いです!!」という不毛な会話を何度かする。
テニスボールを腰に押してくれたりするが、全然効かない…。でもひとりじゃないという安心感はすごい!(立ち合いの有無は大きいと痛感…コロナめ)
私が陣痛に耐える時に腰を仰け反ってしまっていたため、ヨギボーみたいなビーズクッションに背を預ける姿勢に変更させられる(仰け反ると赤ちゃんも下りてきにくいそう)。
13:00
子宮口の開きに見合った強い陣痛が来ていない&赤ちゃんもあまり下りていないことがわかる。
このまま陣痛を待っていたら出産は翌日になる可能性があるため、体力的にも陣痛促進剤を使って分娩を促した方が良いと説明される。痛みに震える手で同意書にサイン。
(ちなみに前日の夕飯から何も食べていない。すごく喉が乾くのに病院に着いてから500mlの水のペットボトル半分も飲めなかった。)
13:30
子宮口ほぼ全開。
陣痛促進剤投与スタート。
この時点で悶えるほどの陣痛が促進剤によって更に強くなるかと思うと絶望的な気持ちになる。
助産師さんが少しずつ分娩の準備を始める。
紙エプロンみたいなのを着たり、私の下にシートを敷いたり、機械を運んだり。終わりが近づいているという希望を感じる。
この辺りでおそらく破水していなかったので、助産師さんが人工破膜したと思います。生温い水が流れる感覚。
14:00
“いきみたい感じ” が最大に。
「いきみたいです!う○ちしたい感じです!!」と助産師さんに訴える。感覚としては、ひどい下痢を30倍くらいひどくしたものを出すなと我慢させられている感じ。
陣痛の数値が一定度に達した時から?、「いきんでいいよ〜」と言われる。
この時多分ほんとに排便をしてしまった模様。助産師さんは何食わぬ顔で拭いてくれていました…。
お産が進んでくると赤ちゃんの頭がすぐ隣の腸を圧迫するため、排便するのも珍しくないそう。
14:40
「もう産まれるよ!旦那さんに電話した方がいいよ」と助産師さんに言われ、夫とテレビ電話を繋ぐ。
陣痛が早く終わって欲しいがために痛みのピークが来る度にいきみまくる。
会陰がメリメリと広がり、裂けていくのを感じる。皮膚と筋肉が裂けているのに陣痛に比べると全然痛くない。
ちなみに、成城マタニティクリニックは会陰切開は極力しない方針の病院。自然にできる裂傷の方が治りが早いという考えなのかな。
14:56
どうぅるるん!とぐにょぐにょしたものが産道を抜けた感覚があり、、
ついに誕生!2,956g 50cm 女の子。
シートのようなもので包まれた娘は、そのまま私の胸元へ。すぐには泣かず、助産師さんに背中をさすられて「ほぎゃぁ」と声を上げました。
“へその緒を切りたい” とバースプランに書いていたので、ハサミを渡され指示されるがままにちょきん。ホルモンみたいな弾力ある感触。
“胎盤も見たい” と伝えていたのでじっくり見せてもらう。思ったよりも大きくて内臓っぽさがすごい。
カンガルーケア(早期母子接触)を1時間くらいしている間、院長が裂けた会陰を縫合。陣痛の恐怖冷めやらない私はびくつく。麻酔をしてもらったため痛みはなし。でもザクザクと確実に縫われている感覚が恐ろしい。
そのあと、娘は全身チェックをされたり、足形を取ってもらったり。
16:00
初めての授乳。ちゃんと吸い付いていて感動。お乳の出もよく、娘もどうやら吸啜が上手なようで一安心。
私は子宮収縮が弱く出血が止まらなかったため、残りの陣痛促進剤も引き続き投与することに。
尿意は感じないが最後のトイレから6時間以上経過していたため助産師さんに導尿してもらう。カテーテル入る時痛かった…。そのままLDRで休む。
18:00
LDRに夕食を運んでもらう。丸1日食べていなかったので嬉しくて完食する気満々でいたら、まさかの1/4くらいしか喉を通らない…。お料理は美味しいし、気持ちとしては食べたいのに、不思議と食べられない。
19:00
パジャマに着替えて個室へ(成城マタニティは全室個室)。歩けなかったので車椅子で移動。
初日から母子同室なので、助産師さんから授乳間隔や記録などの説明を受ける。
赤ちゃんは出産当日はよく眠るそうで、娘も例に漏れずよく眠ってくれた。私も4時間ほどぐっすり眠る。
そして翌日から5日間の過酷な入院生活が始まるのでした(この内容はまた別記事に!)。
人生初の出産を終えての感想
トラウマ級の陣痛
人生初の出産は、予想以上に壮絶でした…。
まず、私は陣痛の痛みをナメていました。
私はもともと痛みに強い方だと自負していたのですが、陣痛は今まで味わってきた痛みと種類が違う!
なんというか、刺激痛ではなく、爆発系の鈍痛なのです。
よく “生理痛の強い痛み” と例えられますよね。「それなら我慢できるぞ!」と思っていましたが、全然そんなことなく。
腰からお尻のあたりが熱くなり、マグマのようにぐつぐつと煮え立っていると同時に、お腹の中が大爆発して痛みを体内に留めておけない感じ。
とにかく、今まで味わったことのない、人生で最も耐えがたい痛みでした。
参考になるかわかりませんが、私的に痛みが少しマシになった方法を紹介します。
- 夫に聖書のみことばを朗読してもらう
- 好きな音楽をかける
- 長く息を吐くことを意識する
- 正座の姿勢でおしりを圧迫する
痛みから気を逸らす+呼吸法+痛みを刺激で分散
この3点がかろうじて我々のできる術だと思います!
娘に会った感動
壮絶な痛みのあと、ほにゃほにゃの娘が取り上げられました。
初めて娘を見た時、「あぁ、やっと会えた」という安堵の気持ちでいっぱいでした。
無事に生まれてきてくれてよかった。本当に、ただただそれだけ。
そしてなんといっても可愛い…!
こんな天使を世に生み出してしまったのか私は!と本気で思いました。
そして自分でも驚いたのは、初めて娘の姿を見たのに、お腹の中にいた時から顔や声を知っていたかのような感覚を覚えたこと。胎動やエコー写真でわかる娘と、実際の彼女はとても重なっていました。
こんな顔だったんだ!初めまして!という感覚じゃなかったのが意外。
神の助けを実感
私は聖書の神を信じるクリスチャンです。
妊娠から出産に至るまで、人の意図できる範囲を遥かに超えた、神の知恵・計画を学ぶことができました。
特に出産。側から見たら私ひとりで耐えた苦しみでしたけれど、その背後には圧倒的な神の守りと導きがあったと信じています。
家で陣痛に耐えている間、あらかじめ選んでおいた多くの聖書の言葉を夫に朗読してもらいました。
恐れるな。わたしはあなたとともにいる。
たじろぐな。わたしがあなたの神だから。
わたしはあなたを強くし、あなたを助け、わたしの義の右の手で、あなたを守る。
イザヤ 41:10
神が私を励まし、慰め、力付けてくださっているなぁと思いながら、耐えることができました。
他にもたくさんの聖句を選んでおきました。出産を控えているクリスチャンの方、おすすめです!
また、以下の聖句から、この子を取り上げるのは助産師(または医師)ではなく神なのだ、ということも知りました。
私は生まれたときから あなたに抱かれています。
あなたは私を母の胎から取り上げた方。
私はいつもあなたを賛美しています。
詩篇 71:6
私よりも、夫よりも、誰よりも、この子の誕生を望んでいるのは神であること。
このことを出産の最後の最後まで考えていると、不思議と力が湧いてきました。
本当に苦しかった出産だったけど、神の守りと助けをこんなにも強く知ることができたことは、大きな大きな収穫でした!